風土・衆声

海の青い鳥

    地球規模の温暖化と都市の拡大において、渡り鳥は繁殖と生存のため国際的な連携による保護が必要となります。台湾でも多文化家族が増加する中で、次世代のアイデンティティはどうなっていくのでしょうか。作者は、このプロジェクトを 2018 年からスタートさせ、自身も台湾‧オーストラリアの多文化家族を持つ経験から、台南の多文化家族にインタビューを行い、国際的な多文化家族のインタビューを収集し続けています。創作はクロツラヘラサギの集団観察に結びつけて展開させており、「クロスオーバー」または「多」国籍、国境、アイデンティティを考慮し、移民、繁栄と共栄などのテーマについて考えています。インタビューを行った3家族が声の出演として参加し、多世代多言語が作り出す鳥の鳴き声を模した人の声を録音しました。作品は、マルチチャンネルの音声装置を展開し、インタビューと繋げています。プロセスと作品における問いかけ:アイデンティティをより柔軟にすること、或いは母国語、国籍を超越することはできるのでしょうか。移民の世代的な傷は海、あるいは宇宙の子と繋がることで癒すことができるのでしょうか。生物はどのように現地社会に依存‧共生しているのでしょうか。どうすれば、共存するだけでなく世代や国境を超えて共栄できる環境を共に作り出すことができるのでしょうか。

    張惠笙

    1984年彰化生まれです。人の声による即興音声を主軸としてパフォーマンスを行います。2006年にオーストラリアRMIT大学のファインアート修士課程を修了しました。専攻はサウンドアートです。2014年にMIECATアートセラピー修士号を取得しました。2003年からアジア、オセアニア、ヨーロッパなどの芸術祭にて展示及びパフォーマンスを行い、これまでにオーストラリア、台湾、韓国、フランス、ポルトガル、オーストリア、ベルギーなどにレジデンスアーティストとして滞在した経験を持ちます。現在は、台南で音響空間「聴く‧話す」を運営しています。
    会場の大きさにより決定
    マルチチャンネルオーディオ装置(68 mins)
    2024