水逆・未来

アントロポセンにおいて極端な気候変動によって引き起こされる流域の環境変化と洪水は、都市の未来に大きな課題をもたらしています。この問題は、多様な生物種の生存や、流域生態の島に影響を与え、何千年にもわたって繰り返されてきました。アーティスト・劉玗は、荒れ狂う洪水に関するさまざまな古代神話で語られる物語を通じて、未来においても避けられない洪水を暗に示しながら、洪水の奔流に関する物語の形態の変遷を表現しています。オランダから始まったウナギの保全プロジェクトは、ヨーロッパから台湾まで広がり、ウナギの稚魚の回遊行動を明らかにし、今日では渓流環境を示すバロメーターとなっています。台南の渓流では、ウナギの稚魚を河口で捕獲する漁法が古くから行われており、宮廟の信仰と結びついてきました。加えて、数々の砂防ダムや水利施設と相まって曾文渓や二仁渓上流で語られてきたウナギの伝説と事実が、今日ではウナギのサバイバルゲームの一部となっています。サバイバルリアリティゲームの設計を通じて、人類の行動が他の種を絶滅の危機にさらすアントロポセンのシナリオが示されます。アーティスト・李欣芫は、台南の南科汚水処理場と協力し、廃水処理から音を収集して連動インスタレーションとして創作に盛り込みながら、河川と廃水の未来について私たちに問いを投げかけます。床面の流域水路に沿って本展示室を離れると、アーティスト・康雅筑による転がる石たちに出会います。この作品は曾文渓の河口で拾い集められた発泡スチロールのかけらと羊毛フェルトで作られたものです。これら発泡スチロールは時間によって流され形作られてきた石の如く、大自然と人間の活動の証です。また、重なり合った羊毛が人々の手によって摩擦され、押さえつけられ、フェルト化していく過程は、個人と集団の対話と交流を象徴しています。これにより、大自然と時間、生物たちの間で繰り広げられる絶え間ない交流と融合に呼応し、流域文化の辿ってきた歴史的文脈と未来における潜在的な危機を表現しています。
転がる時間

転がる時間

人間の生活の進歩

人間の生活の進歩

姉妹 3

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F/EEL

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もし物語が洪水になったら

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