眾神.請水

台南全域水文図

    地図は、点や位置を定量的に示す機能だけでなく、歴史的な文化の脈絡を示すことができるでしょうか。《台南全域水文図》は幅広のサイズで描かれ、台南の水文地形を全体的に広く概観できると同時に、近距離からは台南の渓流、水路、排水路、貯水池、ダムなどの水路のほか、その沿域にて発展した寮、庄、社、街、城などの集落群の分布と変遷を詳細に鑑賞することができます。
    2023年に《曾文渓鳥瞰図》が完成した後、続いて《台南全域水文図》が作られました。この地図の地理的範囲には八掌渓、急水渓、将軍渓、曾文渓、塩水渓、二仁渓、さらには昔の台南府城の内外にあった文元渓、徳慶渓、福安坑渓、竹渓も含まれています。
    《台南全域水文図》は、1904年の日本統治時代に清朝時代の台湾を基に作成された『台湾堡図』を基に、台南地域を抜粋して再描画したもので、百年にわたる地理的な脈絡を一つ一つつなぎ合わせ、台南全域の地図を現在のGoogleマップと比較しつつ、実際に水域を探索しながら記録・修正して作成された地図です。この「描かれた地図」は、アーティストがその文化的視点によって描き出した、台南全域の過去と現在が交差する中での河川とその沿域集落群の時間と空間の関係を示しています。
    注:この地図の位置表示は、『台湾堡図』の河川と集落の旧名を主な表示名としています。現在の名称が変更や削除されている場合は別途赤字で表示し、百年来の地理的風水と生活文化の変化・変遷を示しています。

    林建志

    主要創作:繪畫、雕塑、繪製地圖。1963年生於台灣,1994年畢業於美國紐約普拉特學院(Pratt Institute)藝術系,1996年畢業於美國加州藝術學院藝術(California Institute of the Arts)研究所。早期在臺灣藝術圈活躍數年後,對社區大學和社區營造產生興趣,進而移住台東,並經歷一段十年的社區部落組織活動。近幾年定居台南後重拾畫筆,畫畫插畫和繪製地圖。
    240 x 480 cm
    紙、木製ボード
    2024