眾神.請水

ka’oripan 生命の空間

    本作品は「taradaw」と「edaw」の2つの概念を一つにすることに挑戦しています。アミ語で河流を意味する「taradaw」、儀式を意味する「edaw」、そして消滅を意味する「malahedaw」を語ります。このうち、「taradaw」は進化を続ける自然の生態系である川を表し、「edaw」はすべてを制御しようとする人間の論理的な脳を表しています。作品には主にカジノキの皮が材料として使用されています。カジノキの皮はかつて先人たちの文化において非常に重要な位置を占めており、それを食べて育つ梅花鹿(タイワンジカ)も当時の重要な収入源となっていました。食用、薬用、儀式、祭典、衣類の繊維としての機能も、長年にわたり島民の日常生活を物語ってきました。現在はまったく注目されないどころか、目障りなものとして現代の生活によって切り取られたあらゆる空間の境目に見え隠れする存在となっています。どこにでもあり、取るに足らないものでありながら、決して離れることなく、まるで人間を逆に監視し、島の成長と消滅を記録しているかのようです。私たちが耳にしてきた歴史は、それが400年であろうと、数万年、数億年であろうと、実は非常に曖昧なものです。私たちはその微妙あるいは劇的な変化を論理的な帰納法や儀式を通じた反省で理解しようとしているのかもしれません。しかし、「malahedaw」に戻れば、すべてが消滅してしまうのか、そしてそれに意味があるのかについては、現時点で答えることはできません。結局、私たちは継続的に存在し、観察することによってのみ、一瞬のわずかな光から理解を得ることができるのかもしれません。しかし、それも確かなことではありません。

    ラヘズ・タリフ

    作品には多くの海洋文化の特質と部落の伝統精神が包括されています。神話物語の収集や歴史の口承、古い部落遺跡のフィールドワークを行い、その智慧を学び直しています。また、海や島と密接に関係するプロジェクトを次々とリリースし、その作品テーマは、長年注目してきた部族文化だけでなく、環境生態の問題を包括するまでに拡大しています。創作の代表的なプロジェクトとして「台風計画」(2008)、「五十歩の空間」(2013)、「海美/没館」(2018)があります。
    400 x 270 x 3 cm
    カジノキ(梶の木)の樹皮、糸
    2024