向海・航路

港からの潮の声

    擬音は、有声映画の発明を起源とします。様々な素材や物を利用して作られますサウンドシミュレーションプロジェクトです。この作品は、擬音を用いまして「潮の声」の存在を探索し、潮の声を空間内に置きますときの現実と虚構を考察します。実際の潮の音を擬似化して、私たちの日常で出会います大自然の海潮に結びつけます。現実と虚構の聴覚を巡ります体験の中で、海の記憶の抽象的な場面を表現し、真実と幻想の間を行き来して海のイメージを再構築します。波に浮かび海を超えることは、台湾島民に共通する記憶であり、この海は台湾の運命共同体の基礎を形成していると言えます。隠された海洋民の遺伝子が、それを探求するよう繰り返し呼びかけているのです。潮や船の音を過去の河口や港口の歴史として暗示し、音がタイムトラベルの媒体となり、この島に残されました海洋史を探っていきます。

    「Wind and Ear」スタジオ (角八惠、王誌成)

    角八惠
    武蔵野美術大学空間演出デザイン学科を卒業しました。「Wind and Ear」スタジオの責任者で、シネマ・ショートフィルムの編集監督を務め、インスタレーション、小規模公演の企画を行います。2014年に台南へ帰郷し、日常、記憶、出来事などを積極的に考察し表現しています。創作では、身体感覚や都市の記憶を地誌に書かれた道のりとして再構築することで、地誌の劇場と空間方法論の展開を図っています。
    王誌成
    「頭哥」と呼ばれる王誌成は、武蔵野美術大学映像学科を卒業しました。現在は、本業の映画美術指導のほか、短編映画やドキュメンタリーの制作にも参画し、金穂賞の優秀動画部門、金馬賞と金鐘賞の最優秀美術デザイン部門を受賞しています。侯孝賢の『憂鬱な楽園』で映画業界に入り、30年近くの間に、ウォン・カーウェイ、チェン・カイコー、リュックベッソン、マーティン・スコセッシ、陳玉勳、蕭雅全、楊雅喆、徐漢強ら著名な監督と仕事をした経験を持っています。
    260x550x120 cm
    鉄(歯車)、竹、帆布
    2023
    *台南市政府文化局新営文化センター所蔵