風土・衆声

黄色のイベント

    1974年に開催された「革命殉教者展」の「黄国鎮頭蓋骨復元図」では、日本統治時代初期の八掌渓と曽文渓谷上流の「土匪(山賊)」黄国鎮(現地では「黄阿国」と呼ばれます)が革命の烈士として展示されました。一方で、現在の山間住民の間では、「行わない悪事なし」と記憶され、逆になっています。本作品はその矛盾を出発点とし、黄国鎮の探索過程を「黄色事件」と名付け、現在と過去の状況を通して、開かれた撮影と実験、対話を行います。動画は、ビンロウを素材として繋げたものです。この地は日本統治時代に総督府から「帝国の皮膚病」と呼ばれた「土匪」の活動拠点であり、かつては台湾で最もビンロウが密集した産地でもありました。ビンロウ山は土地の「皮膚病」とみなされ、「土匪」が廟に祀られるといった曖昧な「共存」状態があり、風土の関連と入り混じっています。展示場所については、1899年に台南県知事の磯貝静蔵と日本軍の混成第3旅団長の高井敬義が総督府に対し、北白川宮親王の遺跡保存を目的とした「御遺跡保存工事」を提案し、後に台南神社と改められました。現在は台南美術館の裏手にある公園が本作品の屋外舞台となっています。磯貝静蔵と高井敬義は、当時の黄国鎮および高山地区の「土匪」の討伐主導者でした。

    高俊宏

    国立高雄師範大学跨領域芸術研究所にて教鞭を執っています。主な研究テーマは、芸術と社会、現代の原住民、アジアの芸術思想です。主な芸術プロジェクトは、ビデオ、プロジェクトベースのアート、身体的アクション、空間インスタレーション、執筆です。
    会場の大きさにより決定
    綜合媒材
    2024